カメラの発展により、昨今は高性能なカメラが手軽に手に入り、カメラマンや映像クリエイターたちは技術を磨き、高度な表現力を持つことが可能になりました。
しかし、それだけでビジネスが成り立つわけではありません。
本記事ではカメラの性能やスキルに依存しなくても十分にビジネスを展開することができる方法について考えていきます。
高価なカメラは必要ない
現在、ほとんどの場合において高価なカメラが必要かどうかは明確ではありません。
撮影の目的や顧客のニーズによって異なります。
たとえば、撮影するコンテンツの用途によっては高品質な映像が必要であったり高い解像度やダイナミックレンジが求められる場合もあります。
しかし、顧客にとって重要なのはカメラのスペックや機能ではなく出来上がった品質とそのプロセスです。
商品を発見する過程から購入、品質の確保、アフターフォローまで、顧客が望む結果を満たすことができるかが重要です。
そのため、必要な機能や品質を確保することができれば、高価なカメラである必要はなく、平均点以上の機材でも十分市場で競い抜くことができます。
ただし、低品質の映像や写真は一般的には評価されにくいため、ある程度のスペックや技術力が求められる場合もあります。
カメラスペックや技術力は重要ですがそれ以上に顧客のニーズに合った商品を提供することが最も重要です。
顧客の目線に立って、顧客が望む結果を満たすために必要な要素を考慮し顧客満足度を高めることが求められます。
現行機材と型落ち機材と大差がない
冒頭でも言いましたが入門機でも仕事を生み出すことはできます。
顧客満足度を高める上で現行機材と型落ちの機材ではスペックに対した差はありません。
例えば4Kの映像が必要な場合はGH4という型落ちカメラ(現行はGH6)で4万円台で購入することもできますし
この機材は2023年現在でも現役で運用しているほどの機材です。
EOS 5D mkⅡは懐かしい方もいらっしゃるのではないでしょうか?
10年以上前に発売されたCanonのフルサイズ機です。
こちらもフルサイズ機で4万円台で購入可能です。
海外の動画クリエイターでは現役で使っている方もいるらしいです。
どちらもRAWで写真も撮れます。
上記のカメラは型落ち機材ですが、これだけのスペックがあります。
玄人から見れば使い勝手の悪さなど一目瞭然のスペック差なのですが、
顧客のほとんどは素人ではっきり言って無くても問題のないスペック差です。
テーマパーク等での記念写真のカメラ機材はどれも古い型落ち機材ばかりですがニーズはありますよね?
私も現役のカメラマンですが、現行のスペックがどうしても必要ってシーンはほとんどないんです。
確かにドローンや360度カメラなど新しい技術も登場して、サービスはどんどん多様化していますが、
10年と変わらないビジネスモデルも多くありニーズも変わらないものがたくさんあります。
だからこそビジネスが成り立っているのです。
カメラの良し悪しでビジネスは決まらない
カメラ機材のクオリティが技術者や表現者にとって重要であるとしても、それが必ずしも顧客にとって必要なものとは限りません。
実際に過剰な品質にこだわりすぎることが、顧客満足度向上にはつながらないというデータもあります。
玄人のクオリティ基準は、過剰になりがちであるという傾向があるのです。
カメラの価格に関しても同じです。
高額なカメラを使用しなければ、顧客からの評価が得られないわけではありません。
マーケティングスキルやアイデアを活かすことで、安価なカメラでもビジネスを成功させることは可能です。
実際に、チープなCMでも反響が大きかった例も多くあります。
重要なのは、顧客が求めるニーズを満たすことです。
顧客満足度向上のためには、顧客が望むクオリティを把握しそれを実現するために必要なカメラや機材を選定することが重要です。
また、商品を提供するプロセス全体において、顧客の満足度を高めることができるようなアフターフォローなどの取り組みも大切です。
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顧客が見るのはカメラではなく結果
顧客が求めるのはカメラの品質ではなく、最終的な結果です。
映像の品質も重要ですが顧客が実際に受け取る恩恵が何かがより重要です。
納品後に顧客がどのような反応を示すかを想像しその反応に基づいて取り組むクセを身につけることが大切です。
まとめ
カメラやスキルに依存していた私も、新しいカメラやスキルがどんどん発売される中、競争する必要性に疑問を感じ、市場を客観視するようになりました。
すると、カメラやスキルは良いものであればあるほど、価格が高くなりますが、市場で十分戦えることは初心者機や10年以上前の型落ちカメラでも可能です。
カメラやスキルに過剰にこだわる必要はなく予算のない方でも自信を持って市場で戦えることを覚えておきましょう。